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本書の内容は、将来予告なしに変更されることがあります。HP製品およびサービスに関する保証は、当該製品およびサービスに付属の保証規定に明示的に記載されているものに限られます。本書のいかなる内容も、当該保証に新たに保証を追加するものではありません。本書に記載されている製品情報は、日本国内で販売されていないものも含まれている場合があります。本書の内容につきましては万全を期しておりますが、本書の技術的あるいは校正上の誤り、省略に対して責任を負いかねますのでご了承ください。
このガイドでは、職場、自宅、学校、および外出先でコンピューターを使用するための、適切な作業環境、姿勢、健康上/作業上の習慣について説明します。また、このガイドにはすべてのHP製品に関する電気的/機械的安全についての情報も記載されています。
このガイドはhttp://www.hp.com/ergo/ (英語サイト)で[日本語]を選択することでも参照できます。
警告!お使いのノートブック コンピューターの温度が上がりすぎないようにしてください。
低温やけどをするおそれがありますので、ひざなどの体の上にコンピューターを置いて使用したり、肌に直接コンピューターが触れている状態で長時間使用したりしないでください。肌が敏感な方は特にご注意ください。また、コンピューターが過熱状態になるおそれがありますので、コンピューターの通気孔をふさいだりしないでください。コンピューターが過熱状態になると、やけどやコンピューターの損傷の原因になる可能性があります。コンピューターは、硬く水平なところに設置してください。通気を妨げるおそれがありますので、隣にプリンターなどの表面の硬いものを設置したり、枕や毛布、または衣類などの表面が柔らかいものを敷いたりしないでください。また、ACアダプターを肌に触れる位置に置いたり、枕や毛布、または衣類などの表面が柔らかいものの上に置いたりしないでください。お使いのコンピューターおよびACアダプターは、International Standard for Safety of Information Technology Equipment(IEC 60950)で定められた、ユーザーが触れる表面の温度に関する規格に適合しています。
警告!痛みや体の不調に注意してください。
この『快適に使用していただくために』には、痛みや体の不調をできるだけ減らし、より快適に作業していただくための方法を記載しています。内容をよく読み、説明を参考に環境を整えて作業を行ってください。
コンピューターを使用するときには必ず、快適さ、健康面、安全性、および生産性に影響する可能性のある項目について、考えてみてください。これは、机の上にフルサイズのキーボードおよびモニターを置いて仕事をする場合も、ノートブック コンピューターやタブレットを使用する場合も、ハンドヘルド コンピューターを使用する場合も同じです。どのような場合も、機器に対してどのような位置に体を置けばよいかを考えてください。
長時間同じ姿勢で仕事や勉強、ゲームなどを続けていると、筋肉や関節に不調が生じたり、疲労が蓄積したりすることがあります。座ったまま同じ姿勢でコンピューターの操作を続けるのではなく、定期的に立ち上がったり座ったりしながら、それぞれの姿勢での快適な位置を見つけてください。立った状態でのコンピューターの操作にはなじみがないため、多くの人は通常、立った姿勢を作業時の状態に含めません。しかし、慣れてくると、1日を過ごすなかで、座った状態から実際に立ち上がったときにその快適さに気が付くようになります。
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「正しい」位置は状況によって異なります。すべての人およびすべてのタスクに適した姿勢はありません。1つの姿勢の取り方で、体のすべての部分が快適になることはありません。一度姿勢を決めてしまったら変えないのではなく、不自然さを感じたら、その都度、快適な状態になるように調整するようにします。体と機器との関連性を理解し、動かすものとタイミングを考えます。場合によっては、姿勢を変えることが必要です。機器の方の調整が必要になることもあります。また、その両方が必要になる場合もあります。
動きのない部分、不自然な姿勢、緊張、締め付け、浅い呼吸などがないか自分の体の様子を定期的に確認します。困難で緊張を強いられる作業をしているとき、または厳しい締め切りに追われているときには、細心の注意を払う必要があります。特に、疲れを感じやすい午後には、姿勢を変えながら常に快適に作業が行えるように心掛けてください。亀のような前かがみの姿勢にならないようにします。亀の姿勢とは、首を不自然に伸ばして、背骨と頭が一直線になっておらず、背中が背もたれに支えられていない状態です。立ったり座ったりして姿勢を変えたり、深呼吸したりすることは、背骨、関節、筋肉、肺、循環器系などに良い影響があります。立ったり座ったりする作業環境を用意できない場合は、電話で話すときには立つようにしたり、会議室ではなく歩きながらミーティングを行うことなどを検討します。つまり、重要なことは、意識して姿勢を変えて快適かつ生産的な状態を維持できるということです。意識しないと、不快で非生産的な姿勢に陥る可能性があります。
常に注意 不自然さや不快感がないかチェックします。「亀」のような、不自然で不快、かつ非生産的な姿勢にならないようにしてください。
職場でもプライベートでも豊かな人間関係を築き、ストレスを軽減するための健全な方法を見つけましょう。一定の時間ごとに深呼吸します。20分ごとに、短い休憩を取ります。立ち上がって動き回ったり、ストレッチ体操をしたり、遠くのものに目を移したりします。同僚や家族と協力して、お互いの姿勢に気を配り、調整したり動かしたりするきっかけを作りあいましょう。
健康状態により、コンピューターを使用した作業を安全かつ快適にできるかどうかが左右されることがあります。健康状態によっては、不快感、筋肉や関節の疾患、怪我につながるという研究結果が報告されています (健康を維持するための習慣を参照してください)。不健康なことをできるだけ避けて定期的に体を動かし、身体の健康を増進および維持することで、健康状態および座りがちな仕事の負担への対応力を改善できます。自身の健康状態に気を配り、無理をしないようにしてください。
このガイドに記載された注意事項は、年齢に関係なくすべてのコンピューター ユーザーを対象としています。大人は多くの場合、誤ったコンピューター使用の習慣を「捨て去る」必要がありますが、子供、特に幼い子供の場合は、コンピューターを使い始めた時から保護者や教師が正しい使用習慣を習得させることで、捨て去らなければならないような悪習を身につけずにすみます。保護者や教師は、自分達が責任を負っている子供たちを注意深く見守りながら指導していく必要があります。体の声に耳を傾ける、不自然さに敏感になる、快適になるように調整するなど、生涯続く習慣を、子供たちが早期から習得できるように指導してください (コンピューターを使用する子供への配慮を参照してください)。
まっすぐ背を伸ばした姿勢と背もたれにもたれかかった姿勢を切り替える方法を身につけるには、椅子の調節機能を知っておく必要があります。印刷された椅子の説明書がない場合は、製造元のWebサイトを確認してみてください。椅子のすべての調節方法に習熟している人は驚くほど少ないものです。少し時間を割いて椅子の調節方法を習得すると、快適さおよびより良い生産性を得ることができます。
椅子の調節の使用方法がわかったら、まっすぐに背を伸ばした位置ともたれかかった位置を自身で比べて、体の快適さをチェックします。もっとも快適で生産性の高い姿勢およびシート調節位置を見つけてください。
快適な姿勢は、どのような作業を行っているかによって異なります。たとえば、電子メールを使用する作業では、少し背もたれに寄り掛かった方が楽でしょう。頻繁に書類や本を参照しながらの作業では、背中をまっすぐ伸ばした方がよいでしょう。他のユーザーが椅子を使用した場合は、自分にとって一番楽で生産性の上がる状態に再調整します。机またはテーブルの下には足を自由に動かせるスペースを確保してください。
快適さと生産性を向上させるには、立った姿勢と座った姿勢とを定期的に切り替えます。長時間同じ姿勢を続けると、筋肉や関節に緊張や不快感が生じることがあるため、同じ姿勢を続けることは避けます。定期的に体をチェックして、体を動かす必要があるかどうかを判断します。場合によっては、姿勢を変えることが必要です。機器の方の調整が必要になることもあります。また、その両方が必要になる場合もあります。
姿勢を変えるときには、肩、腕、および手が快適な状態になるように作業台を調節する必要が生じる場合があります。肩をリラックスさせ、両肘は体の横で楽に下ろします。上腕、手首、および手は、自然にまっすぐ伸ばした状態にします。作業台、キーボード、およびポインティング デバイスの調節機能は、快適さと生産性に影響します。
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1日を通して、身体の状態に気を配り、不自然さや不快さを感じた場合は、快適さと生産性を高めるように自身の体と作業環境を調整してください。
キーボードのキーを打つ時やポインティング デバイスを操作する時、またはタッチ操作を行う機器を使用する時に、不自然さ、緊張、不快感などが生じていないか、手および指を定期的にチェックします。
タイプ中に、自分のキーのタッチが強いか弱いかを確認します。必要最小限の力でキーを押してください。タイプ時には指を不必要に緊張させないようにします。その時に使用していない指に必要以上に力が入っていることもあります。
ポインティング デバイスは軽く握ります。手首だけでなく腕と肩全体を使用してポインティング デバイスを動かします。手首はまっすぐ伸ばし、手はリラックスさせた状態で、軽いタッチでボタンをクリックします。ポインティング デバイスを定期的に反対側の手で操作することで、通常使用している方の手を休めることができます。デバイス ソフトウェアを使用して、ボタンの割り当てを切り替えます。ソフトウェアのコントロール パネルを使用して、ポインティング デバイスのプロパティを調整します。たとえば、マウスを持ちあげる回数を減らしたり無くしたりするためには、移動速度を上げてみてください。ポインティング デバイスを使用していないときは、デバイスを握り続けずに 手を離します。
手の支えがあると、より快適にリラックスして作業を行えることがあります。パームレストを使用すると操作の休止中に手を支えられますが、タイプ中やポインティング デバイスの使用中は、手首が自由に動くようにします。
体のすべての部分が常時快適になるようなモニターの位置はありません。1日を通して、目、首、肩、および背中をチェックして、いつどのように体を動かすかを決めます。配置、ズーム、照明はすべて、快適さと生産性に影響する重要な要素です。たとえば、目が乾燥する場合は、しばらくモニターの位置を下げて定期的にまばたきすることをおすすめします。目の疲れを感じ始めたら、ズームの割合を上げて画面上のオブジェクトのサイズを拡大してみます。場合によっては、モニターを近づけたり、ちらつきの原因となる光源を排除したり、目を頻繁に休ませたりする必要があります。見下ろす姿勢を続けて首の疲れを感じ始めたら、モニターの位置を上げてみてください。そのとき、頭は安定した楽な状態で、背中は椅子でしっかり支えられている必要があります。
モニターを調節するには、以下のガイドラインに沿って作業してください。
適切な距離を見つけるには、モニターに向かって腕を伸ばして握り拳をつくり、指の関節がくるあたりにモニターを配置します。頭を安定した楽な状態にしておき、モニターを前後に動かして目からの距離を微調整します。モニターに表示される文字がはっきりと見える位置に配置します。
重要:幼い子供を含む多くのコンピューター ユーザーが、視力矯正をしていないためにモニターの画像がぼやけて見えるとの調査があります。はっきりと見えていない子供は、読解力が低下する傾向が高くなると考えられます。すべてのコンピューター ユーザーが、定期的に専門医による目の検診を受けることを強くおすすめします。ユーザーによっては、メガネを着用しなければならない場合があります。また、メガネの度を合わせたり、コンピューター用に特殊なメガネを使用する必要のあるユーザーもいます。
モニターの高さを上下に調節し、頭が安定した楽な状態になるようにします。頭を必要以上に前に傾けたり、首を少しでも不自然に前方または後方に曲げたりしなくて済むようにします。画面の中央を見るときは、心持ち下向きになります。多くのユーザーは、画面の最上部が目の高さのわずかに下にくる高さが快適だと感じますが、モニターをこの位置より心持ち上に上げるとさらに首が楽になります。一方、目が乾燥し始めた場合は、モニターを目の高さよりも下に引き下げることが最適です。画面の位置を下げることで、まぶたによって目の表面がさらに覆われるからです。多焦点メガネを使用するユーザーの場合、頭が後方に傾くことを避けるためにモニターを非常に低くして、レンズの下の部分から画面のコンテンツを見ることもあります。コンピューター用に別途、特別に設計されたメガネを使用するユーザーもいます。
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ヒント:モニターの高さを十分に調節できない場合は、調節可能なアームまたはモニター ライザーの使用を検討してください。モニターの低さを十分に調節できない場合は、調節可能なモニター アームの使用を検討してください。
重要:まばたきすることを忘れないでください。目に不快感がある場合には特に必要です。平均的に、人は1分あたり22回まばたきをします。意識しないでいると、モニターを見ているときには1分あたり7回程度にまで減ってしまう人もいます。
座った姿勢のとき、立った姿勢のとき、さらに体を動かすたびに、上のプロセスを繰り返します。
ヒント:原稿台を使用する場合は、モニターと同じ高さになるようにして、主に見る方(原稿台またはモニター)を自分の正面に置きます。頭、首、および上体が快適になるようにします。
デュアル モニターを使用している場合は、複数の配置オプションがあります。1台のモニターを自分の正面に配置し、もう1台をその脇に配置できます。脇に置いたディスプレイのアプリケーションを見るために、頭と首を長時間ひねっている場合は、そのアプリケーションのウィンドウを正面のディスプレイに移動させます。脇に置いたモニターには、短時間のみ必要となるアプリケーションだけを表示させるようにします。
2つのモニターを同等に使用する場合は、1つがやや左側、もう1つがやや右側にくるような、左右対称のセットアップを検討できます。この構成では、頭を常に左右どちらかに回転させることになるため、注意してください。首、肩、または背中に何らかの不快感が生じた場合は、どちらかのモニターが正面にくるように設置し直す必要があります。
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正しい例 2台のモニターを使用している場合、1台のモニターを正面に、もう1台を左右のどちらかに置くと、首および上体がもっとも快適になります。 |
画面上のオブジェクトを直接操作したい場合、タッチ技術は非常に有効です。タッチを使用している場合、首、肩、および腕の快適さに特に注意を払う必要があります。タッチを使用する場合は特に、体のすべての部分を常時快適に維持できるようなモニター配置がないことに留意してください。
タッチスクリーンで作業するときは、以下のガイドラインを参考にしてください。
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特定のタスクでは、入力方法としてタッチを頻繁に使用していることがあります。キーボードとポインティング デバイスのみを使用しているタスクもあります。また、これら両方の入力方法の組み合わせを選択できる場合もあります。入力方法を組み合わせて使用している場合(例:キーボード、マウス、およびタッチ)、各デバイスをほぼ同じ距離の位置に置くと快適であることがあります。たとえば、キーボードとマウスのすぐ後ろまたは真上にモニターを置くような場合です。この配置は、背もたれに寄り掛かって座っている場合に特に有効です。入力方法としてタッチのみを長時間使用する場合は、タッチ用のモニターを他の入力デバイスの前に置くことをおすすめします。
長時間画面をタッチしないでコンピューターを使用している場合は、モニターの調節で説明されているようにモニターを調節すると、さらに快適に作業できます。体と技術との関係を理解して、不自然さを感じたら快適になるように調整することを忘れないでください。場合によっては、姿勢を変えることが必要です。モニターの方の調整が必要になることもあります。また、その両方が必要になる場合もあります。
デュアル モニターを使用し、その1つがタッチ対応ディスプレイである場合は、それぞれを異なる距離および高さに配置するともっとも快適になる場合があります。
タッチ対応のタブレットを使用している場合、頭と首が不自然な姿勢でないかチェックすることが特に重要です。この操作を頻繁に使用していて、首、肩、背中に不快感がある場合は、長時間にわたって画面を見下ろしている可能性があります。タブレットをテーブル上に置いて、タブレットのケースの傾斜角度を変えたりモニター アームに接続されたタブレット ホルダーを使用したりすると、頭が安定して快適な状態になります。
オフィスでは、タブレットとタッチ操作を行わないディスプレイの両方を同時に使用する場合があります。この場合は、高さ調節可能なタブレット用アクセサリの使用を検討することをおすすめします。タッチ操作を行うディスプレイと行わないディスプレイを組み合わせて使用する場合は、不自然さを感じたら快適になるように調整することを忘れないでください。腕を快適にするために、タッチ操作を行うディスプレイを、行わないディスプレイよりも近くに配置することをおすすめします。
ノートブック コンピューターはモバイル機器であるため、ある場所から別の場所へと簡単に持ち運びができます。自宅では、ホーム オフィスから台所のテーブルへと移動させたり、しばらくの間キッチン カウンターに置いておくこともできます。出張で外出する場合は、ホテルの部屋のデスクからクライアントの会議室に、または遠隔地の出張先に簡単に持ち運べます。
ノートブック コンピューターのみを使用している場合は、不自然さや不快感がないかチェックすることが特に重要です。ノートブック コンピューターの画面を長時間見下ろしていて、首に不快感があるという場合は、フルサイズのキーボード、調節可能なモニターやノートブック スタンド、マウスなどの外付けのポインティング デバイスを使用すると快適になることがあります。これらおよびその他のアクセサリを使用すると、1日を通じて必要なときに調節が可能になり、閲覧距離および高さの選択肢がより多くなって、手首や手をさらに快適な状態にできます。利便性および生産性のためにドッキング ステーションまたはポート リプリケーターを使用すると、すべてのデスクトップ アクセサリに1回の接続で簡単にアクセスできます。持ち運び用のマウスやキーボードなどのモバイル アクセサリがあると、移動中でも調整が可能になります。
新しい作業環境に移行するたびに、ノートブック コンピューターに対する体の位置をチェックします。適切な席や背もたれなどの支えがない環境で作業する場合や、長時間作業する場合は、体の位置を変えて定期的に短い休憩を取ってください。
移動時には、キャスター付きのノートブック コンピューター キャリング ケースを使用して、首や肩を痛めないようにします。
子供がコンピューターを使用する場合には、節度を守らせることが重要です。子供はコンピューターを非常によく使用します。学校や家庭で、学習にも遊びにも使用します。自分達が責任を負う子供たちを注意深く見守りながら指導していく必要があります。できるだけ早い段階から始めて、頻繁に休憩するようにさせてください。子供の体はまだ成長中、発達中であるため、コンピューター使用時の習慣が将来の健康状態に影響する可能性があります。定期的な休憩を入れないまま長時間コンピューターを使用し続けると、不快感や体の不調、および最終的には重大な健康面の問題につながる可能性があります。
多くの子供が視力矯正をしていないためにモニターの画像がぼやけて見えるとの調査があります。はっきりと見えていない子供は、読解力が低下する傾向が高くなると考えられます。子供には、必ず定期的に専門医による目の検診を受けさせてください。
子供たちはコンピューターに向かって学習したりゲームしたりするため、彼らの姿勢を慎重に指導することが重要です。保護者や教師は、子供がコンピューターを使うときは最初から、作業環境の調整方法および快適な姿勢の見つけ方を教える必要があります。コンピューターを使用する場合用に設計された調節可能な椅子や机などの家具が役立ちます。子供は、大人よりも体が小さい場合がほとんどで、はるかに小さいこともよくあります。大人用に整えられた作業環境を子供が使用する場合、不適合によってさまざまなぎこちない姿勢をとることになります。たとえば、足がぶらぶらしたり、肩が下がっていたり、手首をテーブルの端に置いていたり、キーボードやマウスまで腕をいっぱいに伸ばしていたり、モニターを見上げていたりします。
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悪い例 モニターの位置が高すぎたり遠すぎたりすると、小さな子供の場合は、前かがみになって首を不自然に伸ばし、猫背で背中が背もたれから離れている「亀」のようなぎこちない姿勢になる場合があります。 |
正しい例 椅子が大きすぎる場合は、子供の背中およびおしりの下に固めの枕などを置きます。小型のマウスおよびテンキーなしのキーボードを使用して、モニターの高さを下げます。 |
ヒント:学校でコンピューターの使用に適した調節可能な机や椅子が提供されない場合は、児童や生徒をグループに分けて、快適さや生産性を向上させるための解決方法についてそれぞれのグループで工夫させてみても良いでしょう。
健康状態により、コンピューターを使用した作業を安全かつ快適にできるかどうかが左右されることがあります。健康状態によっては、不快感、筋肉や関節の疾患、怪我につながるという研究結果が報告されています。以下に挙げる健康状態または健康要因のどれか1つでも当てはまる場合は、健康状態に悪影響を及ぼすような習慣はやめて、自身の体に不自然さや不快感がないかしばしば確認することが特に重要です。
対応可能な作業内容や作業時間の長さは、コンピューターのユーザーひとりひとりによって異なります。作業をするときに無理をしないように注意してください。ここに挙げた健康状態のどれか1つにでも当てはまる場合は、自身の体力の限界を正しく認識することが必要です。
一般に、できる限り不健康なことを避けて定期的に体を動かす習慣を身につけることで、健康状態および仕事に対する耐久力を改善できます。
HP製品は、製品の取扱説明書および一般的な安全慣習に従ってインストールされ、使用される限り、安全に動作するように設計されています。ここでは、コンピューターを操作することで発生するおそれのある悪影響について説明し、これらの悪影響を最小限にするために必要かつ重要な安全上の注意事項についても説明します。ここでの説明および製品に付属の説明書での注意事項に沿って作業をすることで、危険から身を守り、コンピューターのある作業環境をより安全なものとすることができます。
HPの製品は、情報技術機器の安全基準(Standard for the Safety of Information Technology Equipment)である、IEC60950規格を満たすように設計され、検査されています。IEC60950規格は、国際電気標準会議(IEC)の制定した安全基準であり、HPが製造する各種製品もこの規格の対象となります。検査にはこの他に、IEC60950規格を参考にして作られた数々の国内外の基準に従った評価が含まれます。
装置の安全性についてのご質問は、HPのサポート窓口までご連絡ください。
HP製品は、表示された電気定格で、取扱説明書どおりに使用する限り、安全に動作します。情報技術機器の安全な使用を目的とした、国や地域の屋内配線規定の要求事項に従ってお使いください。
IEC 60950規格の一般的安全設計要求事項に沿うと、ユーザーや保守担当者は以下のリスクを低減できます。IEC 60950は、以下の危険から人体を保護する規格です。
HP製品は、表示された電気定格で、取扱説明書どおりに使用する限り、安全に動作します。情報技術機器の安全な使用を目的とした、国や地域の屋内配線規定の要求事項に従ってお使いください。
重要:HPの製品は、取扱説明書などの資料に特に記載のない限り、乾いた環境または屋内環境で使用することを意図しています。HPの製品は、危険な場所では使用しないでください。危険な場所としては、病院や歯科医院の治療室、過酸素状態の場所、産業施設などがあります。製品の設置について詳しくは、建物の構造、保守、安全を管理している最寄りの電気担当機関に問い合わせてください。
詳しくは、製品に付属の取扱説明書を参照するか、HPのサポート窓口までお問い合わせください。
製品を安全に使用するための注意事項や操作方法が記載された取扱説明書は、いつでも参照できるように保管しておいてください。製品を使用するときは、取扱説明書に記載された操作方法および使用方法に従ってください。また、製品や取扱説明書に記載された警告を必ず見るようにしてください。
火災、けが、装置の損傷を防ぐため、以下の注意事項を守ってください。
このセクションでは次のトピックについて説明します。
以下の場合は、コンピューター本体の電源スイッチを切った後、電源コンセントからプラグを抜き、HPの修理受付窓口に修理を依頼してください。
HPの取扱説明書に記載されていない限り、どのようなHPの製品の修理も、自身では行わないでください。警告記号やラベルの貼付されているカバーを開けたり取り外したりすると、感電するおそれがあります。このような部分の修理は、HPのサポート窓口に依頼してください。
製品は、不安定な机、台車、スタンド、三脚台、棚などの上では使用しないでください。製品が落下すると、重傷を負ったり、製品の重大な損傷を招いたりするおそれがあります。机、台車、スタンド、三脚台、棚は、HPの推奨品や、製品と共にオプション販売されているものを使用してください。
製品の通気孔や開口部は、通気のために装備されています。製品を確実に動作させ過熱から守るために、これらの口をふさいだり、覆ったりしないでください。製品をベッドやソファ、じゅうたんなどの柔らかい面の上に置くと、通気孔をふさぐことがあります。作り付けの本箱や棚への製品の設置は、製品を配置するために十分な広さが確保され、十分な換気が得られ、指示書に従って製品を使用する場合に限り行ってください。
一部の製品には、アース用に第3のピンを持つ3極プラグが装備されています。このプラグは、3極用の電源コンセントにのみ差し込むことができます。これは安全機能の1つです。ただし、製品に付属の2極アース付き国内変換プラグを使って、一般の電源コンセントに接続することができます。この場合は、必ずプラグのアース線を接続してください。プラグをコンセントに接続できない場合は、電気担当部門に連絡して適切なコンセントに取り換えるための工事などをしてください。
製品の電源は、定格電力ラベルに記載されたタイプの供給電源を使用します。使用する電源のタイプがわからないときは、HPのサポート窓口または最寄りの電力会社に問い合わせてください。バッテリやその他の電源を使う製品については、その製品の取扱説明書を参照してください。
電源コードのプラグを差し込むコンセントは、できるだけコンピューターに近く、手の届きやすい場所にあるものを使用します。また、装置の電源を完全に切る必要があるときは、装置本体の電源スイッチを切った後、コンセントからプラグを抜いてください。
電圧選択スイッチがある場合は、正しい電圧(115 VACまたは230 VAC)に設定されているかどうかを確認します。日本国内で使用する場合は通常、115 VACに設定します。
コンピューターは内部バッテリでリアルタイム クロック回路を駆動している場合があります。内部バッテリを再充電したり、分解したり、水に浸したり、火中に投げ捨てたりしないでください。内部バッテリの交換は、サポート担当者が、各コンピューター用に指定されたHP純正の内部バッテリを使用して行います。
コンピューターを日本国内で使用する場合は、製品に付属の電源コードのみをお使いください。
電源コードは、お使いになる製品および製品の電圧や電流定格に適合したものをお使いください。電源コードの電圧および電流定格は、製品に記載されている電圧および電流定格より大きいことが必要です。また、直径0.75 mm2/18AWG以上、長さが1.5~2.5メートル(5~8フィート)のコードを使用してください。電源コードの種類については、HPのサポート窓口にお問い合わせください。
国や地域によっては、付属の電源コードのプラグ部分に超過電流防止機能が付いている場合があります。これは安全機能の1つです。これは安全機能の1つです。プラグを交換する場合、HPのサポート窓口に問い合わせて、製造元が指定する同じ機能を持つプラグと交換してください。
延長コードやマルチソケットを使用するときは、必ず製品の定格に合ったものを使用してください。また延長コードやマルチソケットに接続されているすべての製品の定格電流の合計が、延長コードやマルチソケットの定格電流の80%を超えないようにします。
電源コンセント、マルチソケット、電源ソケットには、負荷を掛けすぎないでください。システム全体の負荷は、分岐回路の定格の80%を超えないようにしてください。マルチソケットを使用しているときは、マルチソケットの入力定格の80%以下の負荷になるようにします。
製品の掃除をする前には、コンピューター本体の電源スイッチを切った後、電源コンセントからプラグを抜きます。液体洗剤やスプレー式の洗剤は使用しないでください。掃除には湿らせた布を使ってください。
ヒーター、ストーブ、ラジエータなどの熱源およびその他の熱を発生するもの(アンプなど)の近くに製品を置かないでください。
コンピューターの使用中やバッテリの充電中は、コンピューターおよびACアダプターの周辺に空気が十分に循環するようにし、装置を適度に冷却するようにしてください。また、放射する熱源に直接さらさないようにしてください。
部品の交換が必要なときは、修理などのサービス担当がHPの指定する交換部品を使用することを確認してください。
製品のメンテナンスや修理が終わったら、地域の法律で規定されている安全点検をHPのサポート窓口に依頼し、製品が正しく動作する状態になっていることを確認します。
HPが推奨するオプションやアップグレード製品のみを使用してください。
装置の内部コンポーネントおよびホットプラグ対応ドライブの温度が下がってから、作業を行ってください。
ノートブック コンピューターを操作する場合は、これまで述べた一般的な注意事項に加え、以下の注意事項を守ってください。これらを守らないと、火災、けが、装置の損傷の原因となります。
警告!低温やけどをするおそれがありますので、ひざなどの体の上にコンピューターを置いて使用したり、肌に直接コンピューターが触れている状態で長時間使用したりしないでください。肌が敏感な方は特にご注意ください。また、コンピューターが過熱状態になるおそれがありますので、コンピューターの通気孔をふさいだりしないでください。コンピューターが過熱状態になると、やけどやコンピューターの損傷の原因になる可能性があります。コンピューターは、硬く水平なところに設置してください。通気を妨げるおそれがありますので、隣にプリンターなどの表面の硬いものを設置したり、枕や毛布、または衣類などの表面が柔らかいものを敷いたりしないでください。また、ACアダプターを肌に触れる位置に置いたり、枕や毛布、または衣類などの表面が柔らかいものの上に置いたりしないでください。お使いのコンピューターおよびACアダプターは、International Standard for Safety of Information Technology Equipment(IEC 60950)で定められた、ユーザーが触れる表面の温度に関する規格に適合しています。
このセクションでは次のトピックについて説明します。
台座が不安定なモニターや定格質量を超えるモニターは、サポート カバーやスタンドの上に載せないでください。質量のあるモニターは、作業台の上のドッキング ステーションの横に置きます。
バッテリ パックを押しつぶしたり、穴をあけたり、焼却したり、接点をショートさせたりしないでください。また、バッテリ パックを分解、改造しないでください。
指を挟まれないようにするために、コンピューター本体をドッキング ステーションに装着するときには、コンピューターの背面に手を触れないでください。
サーバーおよびネットワーク製品を操作する場合は、これまで述べた一般的な注意事項に加え、以下の注意事項を守ってください。これらを守らないと、火災、けが、装置の損傷の原因となります。
このセクションでは次のトピックについて説明します。
高電圧部に手を触れたりしないように、サーバーには安全インターロックが付いている場合があります。アクセス カバーを取り外すと、電源が切れた状態になります。安全インターロックが付いているサーバーを取り扱うときには、以下の注意点を守ってください。
安全インターロックのかかった部分のアクセサリやオプションの修理は、HPのサポート窓口に連絡し、コンピューター機器の修理資格を持っており高電圧部の取り扱いの訓練を受けた担当者に依頼してください。
キャスターの付いた製品は、注意して動かしてください。急に停止させたり、無理な力を加えたり、床が平らでなかったりすると、製品を倒してしまうことがあります。
装置の底の固定装置(スタビライザー)は、正しく設置し、完全に広げた状態にします。オプションやカードを設置するときに、装置が正しく固定され、止められているかどうかを確認します。
ラックを使用すると、コンピューターのコンポーネントを縦向きに構成できます。ラックを安定させ安全を確保するために、以下の点に注意してください。
電源を入れたり切ったりするときは、次のガイドラインに沿ってください。
製品で屋外テレビ アンテナを使用する場合は、これまで述べた一般的な注意事項に加え、以下の注意事項を守ってください。これらを守らないと、火災、けが、装置の損傷の原因となります。
このセクションでは次のトピックについて説明します。
アンテナに接続されたHPのTVチューナー カードは、必ず、家庭用のHPパーソナル コンピューターで使用してください。
HP製品に屋外のアンテナやケーブル システムが接続されている場合は、アンテナやケーブル システムが電圧のサージや静電気の蓄積から保護されるようにアースしてください。NEC(National Electrical Code)のANSI/NFPA 70の第810条では、適切な支柱、支持機構、アンテナ放電ユニットへの引き込み線、埋設導体の大きさ、アンテナ放電ユニットの位置、アース電極の接続、アース電極の要件について定めています。
HPの製品を保護するために、雷雨のとき、無人になるとき、長期間使用しないときは、製品のプラグをコンセントから抜き、アンテナと配線システムの電源を切ってください。これによって、雷雨や電力線のサージが原因で製品が損傷することを防止できます。
屋外アンテナ システムは、送電線やその他の電灯回路、電力回路など電力線または電力回路から離して設置してください。屋外アンテナ システムを設置するときは、電力線や電力回路に触れないように慎重に行ってください。接触すると致命傷を受ける危険性があります。
ケーブル テレビジョン(CATV)システムを設置するときは、NECの第820-40節を守ってください。第820-40節は、正しいアースの取り方の指針です。特に、アースの配線を、屋内への配線の引き込み口にできるだけ近くなるように、建物のアース システムに接続する方法が定められています。
通信装置およびネットワーク装置を使用する場合は、これまで述べた一般的な注意事項に加え、以下の注意事項を守ってください。これらを守らないと、火災、けが、装置の損傷の原因となります。
レーザー装置を搭載したすべてのHP製コンピューターは、IEC 825等の安全基準に適合しています。またこれらの装置は、米国政府の定めるClass 1のレーザー装置基準に適合しており、通常の使用では人体に有害なレーザー光を装置外部に放射することはありません。
このセクションでは次のトピックについて説明します。
レーザー装置を搭載した製品を使用する場合は、これまで述べた一般的な注意事項に加え、以下の注意事項を守ってください。これらを守らないと、火災、けが、装置の損傷の原因となります。
警告!一般のユーザーが、レーザー装置に対して操作説明書またはレーザー装置のインストール ガイドに記載された以外の修理、調整等は絶対にしないでください。
米国食品医薬局CDRH(Center for Devices and Radiological Health)のレーザー製品に関する規定(1976年8月2日施行)は1976年8月1日以降に製造されたレーザー製品に適用されます。米国内で販売されるすべての製品がこの規定に適合しなければなりません。
レーザー装置を搭載したすべてのHP製コンピューターは、IEC60825やIEC60950などの安全基準に適合しています。
HP製コンピューターに搭載されているレーザー製品には、次のラベルがコンピューターの外側と内蔵レーザー製品の外側に添付されています。このコンピューターに搭載されているレーザー製品は、Class 1レーザー装置として分類されます。
以下の表では、HP製の装置に付いている安全管理のための記号について説明します。記号の意味についてはこの表を参照し、警告の内容にも留意してください。
以下の機関で、作業環境および装置、または安全基準についての詳しい情報を入手できます。
American National Standards Institute (ANSI) http://www.ansi.org/ (英語サイト) |
Human Factors and Ergonomics Society (HFES) http://www.hfes.org/ (英語サイト) |
International Electrotechnical Commission (IEC) http://www.iec.ch/ (英語サイト) |
International Organization for Standardization (ISO) 1, rue de Varembé, Case postale 56 CH-1211 GENEVA 20, Switzerland http://www.iso.ch/ (英語サイト) |
National Institute for Occupational Safety and Health (NIOSH) http://www.cdc.gov/niosh/ (英語サイト) |
Occupational Safety and Health Administration (OSHA) 200 Constitution Ave. NW, Room N3101 http://www.osha.gov/ (英語サイト) |
http://www.tcodevelopment.com/ (スウェーデン語サイト、英語またはドイツ語も選択可能) |